人工股関節に関しては特に必要がないため基本的にナビゲーションシステムを使っていません。通常レベルの変形の場合、執刀医に技量があればナビゲーションを使う必要そのものがないと言えます。その代わりに全例でX線透視装置を用いて人工関節を正しく設置する方法を採用しています。ただし、難症例に対しては手術ナビゲーションシステムを用いる態勢を取っており、関節破壊の程度が非常に強い患者様や股関節固定術後の患者様に手術を行う場合にはナビゲーションが活躍する機会がでてきます。しかし、ナビゲーションシステムを使うことによるデメリットもあるため、状況に応じて適応を判断することが大切です。
人工膝関節に関しては簡易型のナビゲーションシステムが実用化されました(OrthAlign社のKnee Align 2 system)。特にデメリットもなく性能も良いため、膝に関してはほぼ全例でナビゲーションを使って正確な手術に役立てています。
このように京都武田病院人工関節センターでは最先端コンピュータ技術を治療へ応用しており、術前計画は3次元シミュレーションシステムで、術中手術支援は手術ナビゲーションシステムで、術前・術後リハビリ評価は3次元動作解析システムで、それぞれ正確性と安全性を確保するようにしていることが特徴です。